点検商法でいちばん狙われるのが屋根です。京都の役所が実際に払った屋根・屋上防水の改修215件の実額を規模別に整理しました。公共の屋根工事で「塗装だけ」は215件中1件——訪問営業の話を測る物差しにどうぞ。
「屋根が傷んでいますよ」——訪問業者にそう言われて、相場が分からないまま契約を迫られる。 国の処分事例304件を数えた点検商法の記事で見たとおり、 住まいの点検商法でいちばん多いのが屋根です。
だからこそ、実際に払われた金額の記録が役に立ちます。京都の役所の入札結果から、 修繕系の工事6,668件のうち屋根・屋上防水の改修215件の実額を整理しました。
全215件の中央値は3,126万円、よくある幅(安いほうから25〜75%)は1,513万〜5,060万円です。 校舎や体育館の屋根まるごとの工事が中心なので、規模別に分けて見てください。
| 金額帯 | 件数 | その帯の中央値 |
|---|---|---|
| 500万円未満 | 14件 | 420万円 |
| 500万〜1,000万円 | 19件 | 793万円 |
| 1,000万〜3,000万円 | 69件 | 1,866万円 |
| 3,000万〜1億円 | 94件 | 4,266万円 |
| 1億円以上 | 19件 | 1.5億円 |
金額は税込の落札額。最小は251万円(小学校の特別教室棟)、最大は3.2億円(市営住宅の外壁+屋上防水)でした。
| 建物の種類 | 件数 | よくある幅 | 中央値 |
|---|---|---|---|
| 小中学校・高校 | 79件 | 2,564万〜5,610万 | 3,826万円 |
| 公園・スポーツ施設 | 51件 | 2,534万〜5,140万 | 3,799万円 |
| 市営・府営住宅 | 40件 | 3,144万〜1.3億 | 4,136万円 |
| 公民館・集会所 | 6件 | 1,314万〜2,230万 | 1,665万円 |
ひとつ面白い事実があります。215件のうち、案件名に「塗装」を含む屋根工事は1件だけでした。 役所の屋根工事は防水のやり直しや葺き替えが中心——「塗っておしまい」の工事は、公共ではほぼ発注されていません。 訪問営業で「屋根塗装」だけを勧められたときは、それで雨漏りが直るのか、判断の材料にしてください。
上の数字は校舎・体育館・団地の屋根です。戸建ての屋根の葺き替えや防水(ふつう数十万〜数百万円)とは別物です。 それでも、実例を小さい順に並べると「面積と金額の関係」がつかめます。
| 実際の工事 | 発注元 | 金額 |
|---|---|---|
| 岩滝小学校 特別教室棟の屋根等改修 | 与謝野町 | 251万円 |
| 白鳥団地6号棟 自転車置場の屋根等改修 | 舞鶴市 | 283万円 |
| 北野中学校 屋内運動場の屋根ほか改修 | 京都市 | 3,108万円 |
| 醍醐西市営住宅 外壁改修+屋上防水 | 京都市 | 3.2億円 |
①「点検に来ました」から始まった話は、いったん断る。 屋根は自分で確かめにくいので、点検商法の定番です。手口と断り方は こちらの記事(処分事例304件の集計)にまとめてあります。
②同じ条件で2〜3社に見積を。上の215件は、すべて複数社に金額を出させて決まった金額です。
③外壁と同時にやるか検討する。外壁改修124件のうち57件(46%)は屋根・防水との同時発注でした。 足場を一度で済ませる、役所もやっている段取りです。詳しくは外壁改修の記事へ。
修繕工事6,668件全体の物差しはこちら:京都のリフォーム費用、その見積もりは適正?