「足場代無料」の営業トークを測る物差しに。京都の役所が実際に払った外壁改修124件の実額を規模別に整理しました。46%が屋根・防水との同時発注——足場を一度で済ませる、役所の段取りの知恵も紹介します。
外壁塗装は、チラシや訪問営業がいちばん多いリフォームのひとつです。 「今なら足場代無料」「モニター価格」——その金額が高いのか安いのか、比べる物差しを持っていますか。
京都の役所の入札結果には、外壁改修の「実際に払われた金額」が残っています。 修繕系の工事6,668件のうち外壁の改修は124件。この記事ではその実額と、 役所の発注から見える「外壁工事の段取りの知恵」を紹介します。
全124件の中央値は3,551万円、よくある幅(安いほうから25〜75%)は1,635万〜9,823万円です。 校舎や団地の外壁まるごとの工事なので、規模別に分けるとこうなります。
| 金額帯 | 件数 | その帯の中央値 |
|---|---|---|
| 500万円未満 | 7件 | 381万円 |
| 500万〜1,000万円 | 7件 | 770万円 |
| 1,000万〜3,000万円 | 40件 | 1,720万円 |
| 3,000万〜1億円 | 40件 | 5,177万円 |
| 1億円以上 | 30件 | 1.6億円 |
金額は税込の落札額。最小は260万円、最大は3.3億円(市営住宅11棟ぶんの外壁改修)でした。
| 建物の種類 | 件数 | よくある幅 | 中央値 |
|---|---|---|---|
| 小中学校・高校 | 42件 | 2,965万〜7,279万 | 4,371万円 |
| 市営・府営住宅 | 28件 | 1.0億〜2.0億 | 1.6億円 |
| 保育園・こども園・児童館 | 6件 | 1,634万〜7,359万 | 1,819万円 |
124件を数えて目立ったのは、57件(46%)が屋根・屋上防水との同時発注だったことです。 「◯◯校舎 外壁及び屋上防水改修工事」という案件名が、あちこちの学校・団地で繰り返し出てきます。
理由は単純で、外壁も屋根も、同じ足場を使うからです。別々にやれば足場を2回組むことになります。 ご自宅でも、外壁塗装を考えるタイミングで屋根の状態も一緒に見てもらうのは、役所もやっている合理的な段取りです。 (逆に言えば、「足場代無料」を売り文句にする営業には、その分がどこに乗っているのかを聞いてください。)
実例を小さい順に。
| 実際の工事 | 発注元 | 金額 |
|---|---|---|
| 上鳥羽南部いきいき市民活動センター 外壁その他改修 | 京都市 | 310万円 |
| 桃山南小学校 南校舎の外壁改修 | 京都市 | 3,532万円 |
| 修斉小学校 管理棟の外壁改修 | 福知山市 | 3,571万円 |
| 洛西東竹の里市営住宅 59〜69号棟の外壁改修 | 京都市 | 3.3億円 |
※上の数字は建物まるごとの工事です。戸建ての外壁塗装(ふつう数十万〜数百万円)とは規模が違います。
①同じ条件で2〜3社に。上の124件は、すべて複数社に金額を出させて決まった金額です。1社の言い値で決めない。
②「一式」の中身(面積×単価)を書いてもらう。外壁は面積の工事です。数量が書いていない見積は比べられません。
③訪問営業から始まった話は、いったん止まる。外壁・屋根は点検商法の定番分野です。 手口と断り方は処分事例304件の集計記事へ。
修繕工事6,668件全体の物差しはこちら:京都のリフォーム費用、その見積もりは適正?